めぐり逢う朝

投稿者 Yumeka Roche 2014年4月19日土曜日


Tous les matins du monde  1991年

[監督] アラン・コルノー
[出演] ジャン=ピエール・マリエールジェラール・ドパルデュー アンヌ・ブロシェ ジェラール・ドパルデュー


音楽で生計を立てる人を必ずしも『音楽家』と呼ぶのは違う。音楽家とは世俗とは一切無縁な場所で音楽に向きあう人だ。
つまり、音楽で豊かに暮らせる才能がある人が、世俗を捨てることなんてできっこないであろうから、この二つを併せもつなんてほぼ不可能。

妻の死後、隠遁生活を送るヴィオールの名手サント・コロンブ。彼に弟子入りを願い出る靴屋の息子マラン・マレ。
マラン・マレは宮廷演奏家をめざし、地位と名誉を手に入れる。
この二人の関係が、「音楽とはいったい何なのだ」という疑問を観る側に投げかけてくる、そんな深いテーマを持った映画です。

そしてまた、もう一つの物語がこの映画には描かれている。
マラン・マレと、師匠の娘マドレーヌとの恋人関係だ。
一時は弟子を追い出されたマレを、マドレーヌは一生懸命音楽の技法を教える。
閉鎖的な隠遁生活を送っていた一家に、外部からの侵入者であるマレが交じることで、不協和音となる。そして哀しい物語が発生するのだ。


この二つの見所満載で、かつバロック絵画のような美しい映像と音楽。
さて観ないでどうする?


ヴィオールとはイタリアではヴィオラ・ダ・ガンバと呼ばれるチェロやヴァイオリン以前の16世紀から18世紀に使用された弦楽器のこと。

☆☆☆☆



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